正覚寺住職の鵜飼秀徳氏がSurfvoteで課題提起。地域コミュニティにとって重要な役割を果たしてきた宗教施設を再建するために、行政の力を使うべきかいなか、さまざまな意見が寄せられました。
SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)はこのたび、「被災寺院の再建に、公金を投入すべきか?」というイシュー(課題)について3月31日に投票が終了しましたので結果をお知らせします。
- 被災寺院の再建に、公金を投入すべきか?
日本では古来から大きな地震が起こってきました。2024年正月に能登半島地震、2011年3月に東日本大震災、1995年1月に阪神・淡路大震災と数えれば枚挙にいとまがありません。ひとたび地震が発生すれば、多くの民家や施設が倒壊したり被害を蒙ったりします。そこには、もちろん宗教施設も含まれています。
寺社などの宗教施設の再建には莫大な費用がかかるため、宗教法人や信者たちだけでは手に負えないことが往々にしてあります。そこで、解決策のひとつとして、寺社の再建に官民をあげ協力し公金を投入すべきという考えがあります。被災した寺社の再建のために、公金を投入するべきか?Surfvoteでひろく意見を募集しました。
- 投票の詳細
イシュー(課題):被災寺院の再建に、公金を投入すべきか?
https://surfvote.com/issues/korl43fozqj9
調査主体:社会デザインプラットフォーム Surfvote(Webサービス)
調査対象:Surfvote上でアカウントを持つユーザー
調査方法:Surfvote上でアカウントを持つユーザーが投票
投票期間:2024年2月14日〜2024年3月31日
有効票数:41票
- 投票結果とコメントの紹介(一部抜粋・原文ママ)
賛成 24.4%
宗教施設や墓地が被災した場合には、公金の投入が為されるべきだ。他の方が言うように、被災直後はインフラや生活基盤の立て直しが優先されるべきだが、しかし物質的な復興の次には精神的な復興が想定されてもよい。被災地に暮らしてきた人々にとって大切な心の拠り所を再建することは意味がある。それらを全て自分たちで賄えというのは酷だと思える。望んで被災したわけではないのだ。
反対 58.5%
お金をかけるべき箇所が被災地にはもっと他にあると思う。優先順位は高くないよね。もう一つ、特定の宗教を贔屓するようにならないか心配だというのもある。公金を使う施設と使わない施設を選り分けるのは大変だから。いつも被災地への募金として一定の額が集まるのを見ていると、ネットを活用して有志の募金で再建すれば良いと思う。
どちらでもない 12.2%
日本の歴史や伝統を作ってきたものですから、公金を使うなとは言いませんが優先順位の問題じゃないでしょうか。食料や水がないのに、神社などにお金を使っていたら流石に意味がわからないと思います。まあこれは極論ですが、どこにお金を使うのかの優先順位がはっきりさせる&それにコンセンサスが取れたらいいのではないでしょうか
わからない 4.9%
実際に現場に行ったことも、現地の人間でもないのでわかりません。他のことにお金を使うべきかなとは思いますが。記事だけでは判断できないです。
- このイシューを執筆した 鵜飼秀徳氏
作家、ジャーナリスト/正覚寺住職
京都・嵯峨の正覚寺に生まれる。新聞記者、雑誌編集者を経て独立。主に、宗教と社会の関係性について取材と発信を続ける。ニュースコメンテーターとしてテレビ・ラジオ出演も多い。
著書に『寺院消滅』(日経BP)『ビジネスに活かす教養としての仏教』(PHP)『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』『仏教の大東亜戦争』(いずれも文春新書)など多数。
大正大学招聘教授、東京農業大学・佛教大学非常勤講師。全日本仏教会広報委員(有識者)など。
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