犯罪学が専門の立正大学教授の小宮信夫氏がSurfvoteで課題提起。18歳で成人となる高校生に重責を任せることについてひろく意見を募集しました。
SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするソーシャルスタートアップPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)は4月30日に投票終了したイシュー(課題)「高校野球の監督を高校生にやらせるべきか?」の結果をお知らせします。Surfvoteでは社会のあらゆる課題や困りごと、「イシュー」を専門家や大学の先生が執筆し、毎日掲載。Surfvoteに訪れればさまざまな社会課題をだれでも簡単に学び考えることができます。アカウント登録をすると選択肢のなかから自分の意見に近いものを選んで投票したり、コメントを書いたりすることができます。社会の分断や対立を助長するのではなく、さまざまな意見を持つひとが共通する価値観を見つけることができるようサービスの開発を日々進めています。
- 1分でイシューがわかる!「高校野球の監督を高校生にやらせるべきか?」
成人年齢の引き下げにより、高校生が成人とみなされるようになったことで、高校野球の監督を高校生にすることが現実的な選択肢となっています。従来は大人が指導する構成が一般的でしたが、新しい法律により、成人である高校生が他の高校生を指導する可能性が出てきました。プロ野球ではプレーイングマネジャーとして選手兼監督が活躍しており、これが高校野球にも応用される日が来るかもしれません。しかし、この変化には賛否両論があり、運動能力が低い生徒の参加機会増加や自主性の育成などの利点がある一方で、安全管理の問題やいじめのリスク増加などの懸念も指摘されています。高校野球の未来をどう形作るか、その議論が求められています。
- 投票の詳細
URL:https://surfvote.com/issues/z0nodovp5tiy
調査主体:社会デザインプラットフォーム Surfvote(Webサービス)
調査対象:Surfvote上でアカウントを持つユーザー
調査方法:Surfvote上でアカウントを持つユーザーが投票
投票期間:2024年2月21日〜4月30日
有効票数:53票
- 投票結果とコメントの紹介(一部抜粋・原文ママ)
高校野球の監督を高校生がやるべき 7.5%
そもそも部活動は教育活動の一つであって、例えば高校野球のように、大人がこぞって注目し、エンタメとして学生スポーツを楽しむような状況は不健全だ。心身の修練やチームプレーの経験という本来的な部活動の目的から考えれば、むしろ生徒らが自分たちの中から監督やキャプテンを選出して良いわけだし、顧問の役割はあくまで安全上の監督者であると限定されても良い。
高校野球の監督を高校生がやるべきではない 71.7%
監督や指揮官をやるということは、生徒会長や学級委員とは違う重い責任を伴うもので、遊びではない。だから高校生には荷が重いと思う。
高校野球の監督を高校生がやるかどうかは学校の裁量に委ねるべき 15.1%
先生は先生で担当のクラスがあるので生徒のみで部活をするのはよくあることだと思います。生徒のみでの練習が続くと、監督(顧問)よりも指示をするのに適任な生徒が出てくることはあると思うので、監督を高校生がやるかどうかは学校の裁量に委ねて、それぞれで決めればいいと思います。
その他 3.8%
学校の方針にもよるでしょうが、部員間で決めるようにしても良いのではないかと思います。高校生が監督になれば、先生は副監督といった感じで。部員が意思決定に加わることで、これからの集団社会での自主性や協調性等の情勢にも役立つと思いますし、自分たちで決めた以上、その判断をした権利と義務についても体感できる機会になると思いました。なお、タイトルの「やらせるべきか」というのは、上から目線が過ぎるなと感じました。
わからない 1.9%
- このイシューを執筆した 小宮 信夫氏
立正大学教授。社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページとYouTube チャンネルは「小宮信夫の犯罪学の部屋」。