「境界知能」の人が生きやすい社会にするために、学校や家庭などでの、早い段階からのトレーニングで認知機能を強化する取組に対する支援強化などの取組を提案
目的特化型SNSを開発するICTスタートアップのPolimill株式会社社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横⽥えり、以下Polimill社)は、提供するサービス【Surfvote】上で提起した課題『【境界知能】「忘れられた人々」1700万人が生きやすい社会にすることはできるか?』について、一般ユーザーの結論をまとめた提案書を厚生労働省・法務省・文部科学省に提出した。
提案書では、「境界知能」の人が生きやすい社会にするために98%の人が措置や配慮に賛同したとして、政府が検討会議を開催することを求めている。
『Surfvote』はTwitterなど他のSNSと違い、地域課題や社会課題の解決と前進に特化したSNS。
【Surfvote】はLINEやTwitter・Facebook・メールアドレスなどで登録すれば誰でも参加できるSNSで、社会や国家のさまざまな課題(イシュー)について傾聴し、考え、意思表示し、評価し、評価され、自分のポジションを発見し、やがては自分とマッチする人(ユーザーや政治家)を見つけることができるサービスに成長していきます。
https://surfvote.com/
このほど、【Surfvote】上で提起した課題
『【境界知能】「忘れられた人々」1700万人が生きやすい社会にすることはできるか?』
https://surfvote.com/issues/pp7pmutb7d
について、一般ユーザーの結論をまとめた提案書を厚生労働省・法務省・文部科学省に提出しました。
■提案先
厚生労働省・法務省・文部科学省
■提案内容
厚生労働省や法務省、文部科学省などが中心となり、境界知能問題の有識者を集めた検討会議を早急に設置し、以下の対策について検討・実施をしていただきたい。
- 学校や家庭などでの、早い段階からのトレーニングで認知機能を強化する取組に対する支援強化
- 福祉や心理の専門家の立ち会いなど、警察や検察、裁判所での「境界知能」の被告人に対する配慮の強化
- 司法関係者(弁護士や裁判官、警察・検察など)に対する研修の実施
- 「境界知能」の人に対する支援の強化など福祉制度の改革
- 学校での教育や企業での研修などによる「境界知能」の人に対する理解の促進
- 学校の先生に対する研修(「境界知能」の学童を理解する、いいところを見つけて褒める、伸ばすなど)の実施
■提案根拠
社会課題を扱う目的特化型SNS「Surfvote」で得られた結論
■現状
知能指数が70未満の人は行政施策上「知的障害」と認められ、教育や福祉の支援の対象となり得る。しかし、知能指数の「境い目」の部分の、知能指数が70から85の「境界知能(グレーゾーン)」の人は、知能検査の結果だけでは知的障害とも発達障害とも診断されないため、教育や福祉の支援につながりにくい。
「境界知能」の人は、人口の約14%、1700万人に上るとされる。つまり7人に1人が「境界知能」である。
ところが、新受刑者に占める「境界知能」の人の割合は約36%にもなると推定され、人口比の2.6倍にもなる(法務省「新受刑者の罪名別 能力検査値」矯正統計調査、2020年からPolimill社が推定)。
■背景
「境界知能」の人たちの大多数は、社会規範を守って、普通に生活している。
他方で、「境界知能」の人は、知的障害とも発達障害とも診断されにくく、社会的な認識が充分でないために周囲の理解を得にくく、日常生活や勉強、仕事、人間関係などで困難を抱え、生きづらさを感じているにも関わらず、教育や福祉の支援を受けられずに社会的な孤立や経済的な困窮に陥り、罪を犯してしまうケースが多いとされる。
罪に問われた場合、その知能の特性として、過去の事実を記憶化し言語化するのが困難であることから、裁判のプロセスで充分な理解を得られなく、犯罪化と重罰化の流れになりやすいともいわれている。
■社会課題
- 「境界知能」の人たちは、生きづらく困っていても、自分から支援を求めることが難しいこと。
- 他人からは支援を求めているような様子にはなかなか見えづらく、サポートを得られにくいこと。
- 健常人と見分けがつかず、当然のように放っておかれ、「支援もあまり必要でない」と誤解されること。
- 幼少期から学習や人との交流の苦手さがあるのに「努力不足」と解釈されて、自己肯定感を持てずに成長してしまうこと。
- 本人も普通を装って支援を拒否したりするため、支援を受ける機会を逃してしまうこと。
- その結果、社会から「やっかいな人たち」と攻撃されたり、搾取されたりすること。
- またその結果、大人になっても反社会的な行動に至ってしまう可能性があること。
- 1,700万人と数が多く、教育や福祉の支援は経済的にも簡単ではないこと。
■理解して受け入れる努力の重要性
社会が「境界知能」の人を理解して受け入れる努力をしないと、一部は「居場所のない人」となり、社会の分断を招いてしまうという指摘がある。
人は社会的動物であって、絶えず他者との関係において存在している。
人は自分を受け入れてくれる、自己肯定感が得られる人間や組織に依存するようになるといわれている。
1700万人もいる「境界知能」の人を私たちが理解して受け入れていかないと、一部の人は居場所を失ってしまい、自己肯定感が得られる特定の集団に属してしまうという可能性が指摘されている。
■投票結果
「境界知能」の人々が生きやすい社会にするために優先的にすべきことは何か?
SNS「Surfvote」では2022年5月15日から2022年7月31日までこの議題を扱い、64票の回答が得られた。集計結果は次の通りである。
- 学校や家庭などでの、早い段階からのトレーニングで認知機能を強化する取組…… 38%
- 福祉や心理の専門家の立ち会いなど、警察や検察、裁判所での「境界知能」の被告人に対する配慮…… 28%
- 司法関係者(弁護士や裁判官、警察・検察など)に対する研修の実施…… 11%
- 学校での教育や企業での研修などによる「境界知能」の人に対する理解の促進…… 8%
- 「境界知能」の人に対する支援の強化など福祉制度の改革…… 8%
- 学校の先生に対する研修(「境界知能」の学童を理解する、いいところを見つけて褒める、伸ばすなど)の実施…… 5%
- その他…… 2%
- わからない…… 2%
■選択肢ごとの主なコメントと当社レスポンス
選択肢【学校や家庭などでの、早い段階からのトレーニングで認知機能を強化する取組】
神コップさん「自分も早い段階からトレーニングすれば、認知症になる可能性を遅らせることができるし、みんながみんな生活しやすくなる」
いいね数55
(当社レスポンス)認知機能が低くて境界知能になる状態は、もともと記憶や表現が苦手な先天的な場合もありますが、認知症などで後天的に起きる場合もあります。いずれにしても、境界知能の人も、学習の土台となる認知機能の強化に取り組めば、状況を少しでも改善できるという重要な指摘があります。
あい〇さん「家族や友人にも負担をかけてしまったり、日々生活にも支障がでる。生きる上で早めに認知知識を付けておきたい」
いいね数48
(当社レスポンス)生活を送る上で、周囲のサポートが必要となっている境界知能の人々には、自立できる程度まで認知機能を改善させる取り組みが大切だと考えます。
選択肢【福祉や心理の専門家の立ち会いなど、警察や検察、裁判所での「境界知能」の被告人に対する配慮】
ダイアモンドさん「日常生活や勉強、仕事、人間関係などで困難を抱え、生きづらさを感じているにも関わらず、教育や福祉の支援を受けられずに社会的な孤立や経済的な困窮に陥り、罪を犯してしまうケースもあるのではないか。さらにはうつ病になって自殺をしてしまう、そういった悪循環も起きていないか。それを改善させるためにも境界知能の為に配慮をしていただきたい」
いいね数49
(当社レスポンス)境界知能の人々はコミュニケーションが苦手な場合が少なくありませんので、孤立や困窮に陥るリスクが比較的高いのでしょう。冤罪被害の中にも、境界知能ゆえに警察や検察の取り調べにうまく答えられず、自分に不利な供述証書を取られてしまった例があるようです。
選択肢【学校での教育や企業での研修などによる「境界知能」の人に対する理解の促進】
zee8さん「人口の約14%ということは左利きの人よりも多いはずなので、誰もが理解しなければならないことだと思います」
いいね数29
(当社レスポンス)これも大切な視点です。左利きの人は全体の1割といわれていて、決して珍しくありません。境界知能の人々は見た目にはわかりませんが、左利きの人よりも身近に存在するという、実感を伴う思考だと感じました。目の前の友人が境界知能である確率は充分に高いわけで、決して他人事で片付けてはいられません。
選択肢【「境界知能」の人に対する支援の強化など福祉制度の改革】
T.Mさん「まずは本人が努力して生活していけるような支援が大事。皆が生きづらさを感じて解消しようと努力してるのだから、誰もが何事のスタートラインにも立てる平等な社会を望む」
いいね数48
(当社レスポンス)とても大切で優しい視点だと思います。仕事や学業などでチャレンジする意欲があるのに、能力が追いつかないせいで断念しなければならないのはストレスです。チャンスは平等に与えられる世の中になってほしいものです。
exxkuさん「「境界知能」の人数が多いとはいえ、生きていきやすい環境を作っていきたいと思う。輝ける場所を見つけられる、あるいは作ることのできる社会となれたら最良ですが、まずは「境界知能」という言葉を知り、理解する人が増えるのがいいなあと思います」
いいね数48
(当社レスポンス)記憶やコミュニケーションが苦手なだけで、境界知能の人々にも潜在能力があるはずです。それを引き出せれば社会に活力が生まれ、本人も生き甲斐を感じられるようになるでしょう。そのためにも、世間で境界知能の理解が広まっていく環境作りが必要なのでしょうね。
選択肢【わからない】
zettoさん「選択肢全部必要なものだと思う」
いいね数50
(当社レスポンス)あくまでも各選択肢の優先順位が「わからない」とのことで、境界知能の人々のための対策は必要というご意見ですね。
■一般向けSNSサービス「Surfvote」
https://surfvote.com/
■地方公共団体向けサービス【Surfvoteローカル】
https://surfvote.com/local
■Surfvoteのこれから
Surfvoteは今後「Web3.0時代のエコシステムの実装」と「誰ひとり取り残さない社会の実現」という大切な2軸に沿って進化していき、2023年にもさまざまな機能を実装します。デジタル民主主義のためのプラットフォームとしてこれからも進化していきます。
■Polimill株式会社
https://polimill.jp/
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■Polimill株式会社のミッション
あらゆる人が政策つくりに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。