ミレニアル世代のシンクタンク一般社団法人Public Meets Innovation理事の田中佑典氏がSurfvoteで課題提起。公費で赤字鉄道を維持すべきかどうか、さまざまな意見が寄せられました。
SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするソーシャルスタートアップPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)は4月30日に投票終了したイシュー(課題)「赤字の地域鉄道を公費で維持するべきか?」の結果をお知らせします。Surfvoteでは社会のあらゆる課題や困りごと、「イシュー」を専門家や大学の先生が執筆し、毎日掲載。Surfvoteに訪れればさまざまな社会課題をだれでも簡単に学び考えることができます。アカウント登録をすると選択肢のなかから自分の意見に近いものを選んで投票したり、コメントを書いたりすることができます。社会の分断や対立を助長するのではなく、さまざまな意見を持つひとが共通する価値観を見つけることができるようサービスの開発を日々進めています。
- 1分でイシューがわかる!「赤字の地域鉄道を公費で維持するべきか?」
JR東日本が2019年より、利用の少ない線区の経営情報を開示しており、全国34路線、62区間の赤字状況を公表しています。これらの線区では、例えば羽越線の村上ー鶴岡間が年間約50億円の赤字を記録しているなど、多くが厳しい財政状況に直面しています。また、JR北海道やJR西日本も赤字を抱える線区が増え続け、全国の地域鉄道95社のうち約9割が赤字となっています。
さらに、災害復旧費や廃線後の地域への影響など、維持には多くの課題があります。これらの事情を踏まえ、赤字の鉄道路線を公費で維持すべきか、廃線を選択すべきか議論されています。
- 投票の詳細
URL:https://surfvote.com/issues/a6sqrgfm9igi
調査主体:社会デザインプラットフォーム Surfvote(Webサービス)
調査対象:Surfvote上でアカウントを持つユーザー
調査方法:Surfvote上でアカウントを持つユーザーが投票
投票期間:2024年2月27日〜4月30日
有効票数:54票
- 投票結果とコメントの紹介(一部抜粋・原文ママ)
公費を投入して維持していくべきである 42.6%
赤字であろうが、その路線を利用しないと困る人もいる。他に交通手段があればいいが、他の路線もバスも自転車や車がない人もいる。公費を投入して維持していくべきであると思います。
公費は投入するべきではなく、採算が取れない路線は廃線もやむを得ない 35.2%
採算が取れないならば路線を維持するコストがもったいないです。その周辺に住む方々の多数同意が取れるのであれば配線するべきだと思う。国は財政難なので削れるところから削るべき。
その他 14.8%
ケースバイケースだと思います。過疎化がかなり進み再興する気配が全くない地域で赤字のまま走らせてもコストがかさむだけになってしまうと思います。ただ町おこしなど副産物的に再興できる要素があればコストをかける価値があるときもあると思います。
わからない 7.4%
そこに住んでいる住民、特に自家用車のない高齢者などのことを思うと公費を投入して維持するべきだと思う一方、赤字にしかならない電車を走り続けられるほど日本の経済に余裕はないとも思う。なのでどちらにも賛成ができなかったので、その地域ごとに慎重に検討するしかないと思う。
- このイシューを執筆した 田中 佑典氏
1989年奈良県大塔村生まれ。京都大学卒業後、総務省入省。長野県、外務省など様々な行政機関で課題解決に従事した後、総務省にて人口減少下における持続可能な地域社会を実現するための企画・立案に従事。
本業と並行しながら、ミレニアル世代のシンクタンク一般社団法人Public Meets Innovation理事及び「地域の終活」を考えるNPO法人ムラツムギ代表理事を務める。TEDx speaker、NewsPicks Propicker、世界経済フォーラム Global Shapersなどに選出。米国コロンビア大学大学院卒(公共政策学、ジェンダー政策)。立教大学大学院博士課程(環境社会学)。